古い柱や梁を生かして、古民家風のドッグランや趣味室に

長い歳月を経た納屋が、味わいと心地良さを備えた空間に

保護犬をずっと飼い続けているO様。最近、5歳のコタロウくんを新たに迎えました。築100年ほどの古い納屋を全面リフォームしたのは、雪が降ってもコタロウくんが走り回れるドッグランのスペースと奥様の趣味の部屋をつくるためでした。

納屋の土間スペースを利用したドッグランは、木の温かい質感がある古民家風の趣き。天井や柱、梁などがそのまま生かされているため、深い味わいが感じられます。床のコンクリートの上にはモルタルを塗ることで、よりきれいに。また、2階部分をなくすことで開放感を創出しながらも、黒と茶とグレーでまとめることで落ち着きのある空間に仕上がっています。「走り回る姿を眺めています」とほほ笑むご主人。ほぼ毎日、コタロウくんと一緒にここで過ごしているそうです。

一方、奥様の趣味の部屋は、古い梁を利用したモダン和風の空間。パンやお菓子をつくるのが夢だった奥様のために、キッチンが据え付けられています。また、立地に合わせた快適な設計もポイント。風の通り道にあたる南東に大きな窓が取り付けられているため、「夏は涼しい風が入ってきて気持ちいいです」とほほ笑む奥様。床に使われた無垢材も足裏に心地良く、スリッパがいりません。

廃屋状態で解体も考えていた納屋を、ご夫婦が生き生きと暮らせる空間へ。お二人の笑顔がより増えていくことでしょう。

昔ながらの面影を残しつつ、古い柱や梁を見せ、シックな色合いで仕上げたドッグランのスペース。
コタロウくんも大満足の様子です

憧れのパンとお菓子づくり

「パンづくりとお菓子づくりがしたい」という奥様のために生まれたのが、この趣味の部屋です。心地良い光と風に包まれながら、もう何度もお菓子やパンをつくり、家族や友人をおもてなしされています。「窓から庭が見えるのもお気に入り」と、お花を植えることも増えたそうです。

ヴィンテージを楽しむポイント

築100年ほどの納屋の構造体をほぼそのまま残していることが、今回のリフォームのポイント。
特に保存状態の良かった柱は、あえて穴やねじれを生かすことで、長い歳月を経た木の味わいが独特の美しさを醸し出しています。

ドッグランのスペース内にある小上がりは、ご主人と奥様の寛ぎ空間

土間スペースはコンクリートにモルタルを塗って美しく仕上げました

昔ながらの天井もそのままの形で

納屋に収納していた田転がしは、多目的な空間のインテリアとして活用されています

PLAN

昔の農機具などが収納されていた納屋を骨組みだけにした際、多少傾いていたため、大きな重機を使って垂直に直しました。その後、見せる部分と隠す部分に分け、古いものを新しいものと調和させるように工夫しました。コストを抑えつつ住まい手の記憶を残しています。

DATA

砺波市　O様邸
■種類　戸建て
■施工面積　54.53㎡
■施工箇所　納屋
■工事期間　2ヵ月
■家族構成　大人2人(夫婦)
■施工会社　株式会社オリバー 0120-47-1152

ナビゲーターはこの人

ココリビングナビゲーター 池端 忍さん

モデル、ピラティスインストラクター、ウォーキングインストラクター
富山県出身・在住。1997年全日本美少女コンテスト審査員特別賞受賞。テレビ、雑誌、ファッションショーなど多岐に渡って活躍中。