重要性が高まる「GX志向型住宅」
GX志向型住宅とは
2023年2月に「GX実現に向けた基本方針」が閣議決定されました。「GX(Green Transformation)」とは、化石燃料中心のエネルギー需要構造を、クリーンエネルギーへ転換することです。住宅においては、環境に配慮した「GX志向型住宅」の普及が促進されることになります。
GX志向型住宅の要件
要件を満たすには、次に挙げる3点が求められます。
(1)断熱等性能等級6以上
新築住宅の断熱等級は、’30年には等級5が義務化されるため、近い将来、等級6以上の高水準の普遍化が予想されます。等級6の住宅の体感温度は、冬の室内で13〜15度を下回らない程度とされています。
等級6を実現するには、
- 外壁・屋根・基礎の断熱︵高性能グラスウールやポリスチレンフォームの採用など)
- 開口部の断熱(樹脂製サッシ、トリプルガラスなど)
- 冷房期の日射の遮蔽対策
- 結露の発生の抑制対策
などが効果的です。
(2)一次エネルギー消費量35%以上削減
一次エネルギー消費量とは、暖冷房、換気、給湯、照明など住宅で使うエネルギー消費量です。家の広さなどから算出する基準値より35%以上の削減が求められます。
具体的には、建物の断熱性能を高め、高効率な設備を採用した省エネ対策をしていきます。
(3)再生可能エネルギーを含む一次エネルギー消費量を100%以上削減
これは、太陽光発電などの再生可能エネルギーを創出し、家庭で消費したエネルギー量を相殺することを指します。
GX志向型住宅のメリット
GX志向型住宅の建築には、初期コストが高い場合がありますが、光熱費削減や補助金制度など経済的な利点も。子育てグリーン住宅支援事業では新築で最大160万円の支援があります。将来のニーズにも対応でき、資産価値が高くなる可能性がある住宅として注目されています。