ちょこっとバリアフリー
「介護リフォームするほどではないけれど、老後に向けて住みやすくしたい」という方へ。身近なプチリフォームで、住み慣れた家をより安全で快適な空間に変えることができますよ。
世代を問わず、家族みんなが安心して暮らせる住まいづくりのヒントをご紹介します。
軽い力で使いやすく
ドアを開けやすくする
開き戸を引き戸に変えるだけで、車いすや杖を使う方もスムーズに移動できます。戸の重さが床にかからない吊り戸タイプであれば、さらに軽く開けやすくなるだけでなく、床の敷居がなくなるため段差の解消にもなります。
また、ドアノブの種類が握り玉と呼ばれる丸い玉状の取っ手なら、レバーハンドルに交換を。レバーハンドルなら、握力が弱くても、荷物を持っていても扱いやすいです。
LIXILのアウトセット引き戸は、レールを壁に取り付けるだけなので、簡単に引戸にリフォームが可能
水栓を交換する
水栓もシングルレバーハンドル式やタッチレス式に替えることで、力が弱くても直感的に使えるため、キッチンや洗面所の操作性が高まります。
お風呂に安心と温もりをプラス
お風呂の床だけ変えるプチリフォーム
お風呂のフルリフォームには大きな費用がかかりますが、「寒い」「硬い」「滑りやすい」といった浴室の課題は、「お風呂の床だけリフォーム」でもある程度解決できます。浴室用の床リフォームシート「あんから」は、貼るだけの施工なので、費用を抑えつつ、滑りにくく冷えにくい床に変えることができます。
在来工法の浴室の床に施工した「あんから」(フクビ化学工業)。クッション性もあり転倒時の衝撃もやわらげます
あんからと段差解消の施工事例はこちら
温度もバリアフリー化
居室との温度差が大きくヒートショックのリスクが高い浴室には、浴室暖房機の設置を。急激な温度差をやわらげて体への負担を減らすことができます。
つまづきや転倒を防止する
床を重ね張りして段差を解消
床の段差は小さくても転倒の原因になります。特に、和室と廊下、部屋と部屋の間のわずかな段差や敷居が危険です。 フローリングの重ね張りで手軽に段差をなくし、つまずきを防止しましょう。床がフラットになることで、車椅子や歩行器の移動もスムーズになるうえ、ロボット掃除機が動きやすいなどのメリットも。
床の重ね張り施工例。他の部屋との段差を解消するため床面をかさ上げして高さを揃えています
フローリング重ね張り施工事例はこちら
大きな段差を安全に
靴の脱ぎ履きで不安定な体勢になりがちな玄関には、ベンチや手すりを設けましょう。バランスの崩れを防ぎ、外出も安心になります。
また、階段の足元にセンサー式の照明を設置することで、夜間の移動時の安全性が高まります。